2025年6月刊行「脳科学的人間像──ライフサイクルの中のウェルビーイング」

脳科学的人間像

≪目次≫
1 ホメオスタシスとアロスタシス
2 発達過程の統合と脱統合の絡み合い
3 パーソナリティの発達
4 ライフサイクルの中の課題
5 ライフサイクル初期の負のアロスタシス
6 アイデンティティvs 役割の混乱
7 ドーパミンによる相反的なアロスタシス
8 心理的ストレスの身体化反応
9 実践としてのウェルビーイング

抜粋
 ウェルビーイングというと満たされた状態、幸せになることということでなんとなく理解されているように思われます。しかし、生理学者として、また脳科学者としてこのテーマを考えるとき、人の状態は発達や年齢とともに変化するので、ライフサイクルという時間軸を考慮しないとウェルビーイングを理解することは難しいと思いました。また人の多様性を考えると、個々人の初期状態も異なるわけですし、ウェルビーイングの人生の中の軌跡も当然違ったものになると思われます。そこで、ウェルビーイングのライフサイクルを脳科学的にとらえなおし、「脳科学的人間像」として提示しようと考えました。(「はじめに」より)